ATmega8は古いタイプのAVRですが、シンプルで使いやすいAVRマイコンの一つです。秋月電子なので安価で手に入り、ブートローダーを書き込めばArduinoとして使用することも可能です。今回ATmega8にブートローダーを書き込んでArduino化する方法と、Arduino IDEのボードマネージャーを使って簡単にスケッチを書き込む手順を詳しく解説します。
必要なものを準備する
- ATmega8(DIP 28ピン メモリー8K)秋月電子で購入
- Arduino Uno(ISP書き込み装置として使用)
- 16MHz セラロック(または16MH水晶振動子)
- 10kΩ 抵抗(プルアップ用)
- 10マイクロコンデンサー
- ブレッドボードとジャンパーワイヤー
Arduino Uno をISPにする
- Arduino IDEを開く
- 「ファイル」→「スケッチ例」→「11.ArduinoISP」→「ArduinoISP」を選択
- Arduino UnoをPCに接続し、適切なボードとポートを選択
- 「マイコンボードに書き込む」をクリックし、Arduino UnoにISPスケッチを書き込む
これでAruduino UnoがISP書き込み装置として使えます。
ブートローダーの書き込み
Uno(ISP)とATmega8を下図のように接続します。

10 (SS) → RESET (1)
11 (MOSI) → MOSI (17)
12 (MISO) → MISO (18)
13 (SCK) → SCK (19)
GND → GND (8, 22)
5V → VCC (7, 20)
※うまく書き込めない場合はAruduino UNOのリセットピントとグラウンドの間に10μFのコンデンサーを入れてください。
Arduino IDEのボードマネージャー設定
まだ追加ボードを設定していない方は
- 「ファイル」→「基本設定」を開く
- 「追加のボードマネージャのURL」に以下を追加
https://mcudude.github.io/MiniCore/package_MCUdude_MiniCore_index.json
「OK」を押して閉じる
- 「ツール」→「ボード」→「ボードマネージャ」を開く
- 検索バーに
MiniCore
と入力 - 「MiniCore 」 をインストール
書き込み
- ツール」→「ボード」→「MiniCore」→「ATmega8」を選択
- 「ツール」→「クロック」→ 「内部8MHz」または「外部16MHz」 を選択。
内部8MHをを選択すると、シリアル通信が文字化けして上手く表示されません、セラロックが必要となりますが外部16万Hzの選択を推奨します。 - ポート:COMを確認
- 「書き込み装置」→「Arduino as ISP」を選択
- 「ブートローダーを書き込む」を実行
これで何もエラーが出なければのブートローダーの書き込みが終了です。
Mega8のスケッチの書き込みと動作確認
ブートローダーを書き込んだAtmega8とUSBシリアル変換アダプターを下記のように接続致します。
今回使用した変換アダプターは、アマゾンで購入したFT232RLモジュール 5V 3.3Vです。

Arduino IDEの設定、書き込み
- 「ツール」→「ボード」→「MiniCore」→「ATmega8」を選択
- 「ツール」→「書き込み装置」→「Arduino as ISP」を選択
- 「スケッチを書き込む」を実行(例:LED点滅テスト)
void setup() {
// initialize digital pin LED_BUILTIN as an output.
pinMode(13, OUTPUT);
}
// the loop function runs over and over again forever
void loop() {
digitalWrite(13, HIGH); // turn the LED on (HIGH is the voltage level)
delay(400); // wait for a 0.4second
digitalWrite(13, LOW); // turn the LED off by making the voltage LOW
delay(400); // wait for a 0.4second
}
うまく設定されていればこれで13ピンに繋いだLEDが点滅します。
まとめ
ATmega8をArduino化することで、安価なマイコンを活用できるようになります。特に「MiniCore」を使用すると、内部クロックや各種設定を柔軟に変更できるため、プロジェクトに応じたカスタマイズが可能です。ATmega8は古いチップですが、学習用や小規模プロジェクトには十分活用できますので、ぜひ試してみてください!