Pythonの仮想環境を使うと、プロジェクトごとに依存関係を分離できるため、作業効率が向上します。今回の記事は、仮想環境を作成し、Jupyter Notebookを起動する手順をわかりやすく説明します。
パイソンの仮想環境は他にもありますが今回venvでOSはwindows11です。
venv
venvは手軽に仮想環境を作成・管理することができるツールでpython3.3以降には標準でインストールされており、別途インストールすることなく使えます。
前提条件
- Pythonがインストールされていること(Python 3.7以上を推奨)。
- pipが利用可能であること(Pythonに標準でついてくるパッケージ管理システム)。
自分の環境を確認
コマンドプロンプトでPythonとpipの環境を確認してください。
C:\Users\xxxx>python -V
Python 3.12.0
C:\Users\xxxx>pip -V
pip 23.3.2 from C:\Users\xxxx\AppData~
仮想環境の作成
作業ディレクトリを作成
任意の場所にプロジェクト用のディレクトリを作成します。例
Windowsのコマンドプロンプトを開き自分の好きな場所に作業用フォルダーを作ります。
私はEドライブとして認識されているUSBメモリーの中にmy_projectフォルダを作ってみました。
C:\Users\xxxx>e:
E:\>
E:\>mkdir my_project
E:\>cd my_project
E:\my_project>
仮想環境を作成
my_projectフォルダーに移動したら次の命令を実行します。
python -m venv venv
私はvenvを隠しファイルにはしませんでした。
E:\my_project>python -m venv venv
上記のコマンドはmy_projectディレクトリ内にvenvという名前の仮想環境を作成します
仮想環境を有効化
仮想環境を有効化するには以下のコマンドを使用します。
venv\Scripts\activate
E:\my_project>venv\Scripts\activate
有効化されるとターミナルプロンプトに(venv)という環境名が表示されます。
(venv) E:\my_project>
Jupyter Notebookをインストール
必要なパッケージをインストール
仮想環境が有効化された状態で、Jupyter Notebookをインストールします。
pip install notebook
(venv) E:\my_project>pip install notebook
インストールが完了したら、以下のコマンドでJupyter Notebookを起動します。
jupyter notebook
ノートブックを終了するにはブラウザを閉じるのではなく、下図のように①file②Shut Downと進んで終了するか、コマンドプロンプトに直接ctrl-cを打ち込みます。

仮想環境をJupyterに登録
プロジェクト専用のカーネルを作成しなくても、動かすことはできますが起動するたびにカーネルを聞いてくるので登録しすると良いと思います。
pip install ipykernel
今回はvenvという名前でカーネル登録しました。
python -m ipykernel install --user --name=venv --display-name "Python (venv)"
仮想環境を終了するには、以下のコマンドを使用します。
deactivate
最後に
注意点
仮想環境を有効化していない状態でパッケージをインストールすると、グローバル環境に影響を与える可能性があります。
このUSBメモリーに作成した仮想環境は、使用したパソコンのパイソン環境に依存しますので、ほかのパソコンにこのUSBメモリーをつないでも仮想環境を起動することはできません。
まとめ
以上でPythonの仮想環境を作成し、Jupyter Notebookを起動する手順は完了です。これにより、プロジェクトごとに依存関係を分離し、効率的に作業を進めることができます。